地域生活を考えよーかい

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鴻小だより 第12号

発行日:2003年5月29日
発行:伊丹市立鴻池小学校校長
溝淵 裕一 メール
文責:鴻池小学校PTA会長
李 国本 修慈


1.通学途上のいたずらに注意を!

 最近、通学途上で子どもに対するいたずらが続いています。幸い重大な被害にはなっていませんが、これから夏に向けてこのような事件が多発するおそれがあります。学校でも子どもたちに指導していますが、ご家庭でも注意していただきますようお願いします。

 予防の方法
@ 登下校はできるだけ複数で行う。
A 遊ぶときもグループで遊ぶ。
B 暗くなる前に帰る。暗くなったときはできるだけ明るい道を選んで通る。
C 知らない人に声をかけられても相手にならない。
D 防犯ブザーを持たせる。

 発生時の対応
@ 大声を出して助けを求める。
A 近くの家に助けを求める。
B 落ち着いたら、警察や学校に電話連絡する。

 また、別件ですが、3年生の児童が、先週月曜日、スポーツセンター野球場の近くで、大学生風の若い男に「傘を貸して」と言われ、断ったら、傘を取り上げられ、投げて壊されたこともあります。

`  いろいろと物騒な事件が相次いでいます。気をつけましょう。

2.6月の行事

2・月 学校評議員会
3・火 4年転地学習(三田)〜4日
6・金 PTA運営委員会
10・火 3年社会見学
11・水 避難訓練
12・木 全校朝礼
16・月 登校指導・安全点検・心肺蘇生
17・火 授業参観・懇談
18・水 4年社会見学
19・木 なかよし学級参観
20・金 プール開き
23・月 ピカピカ週間
26・木 給食試食会(PTA)

3.ミニ・ニュース

 先日来、ペアのツバメが職員室の外をよく飛んでいましたが、とうとう体育館の軒下に、巣を作りました。卵はまだのようですが、そのうち可愛いヒナが見られるかも知れません。

 そう言えば、昔は軒先にツバメの巣を見かけたものですが、最近は見ませんね。

4.『退化する子どもたち』(前半)

 第8号に続いて、子どもたちの育ちについて考えてみましょう。
 今回は『退化する子どもたち』(小林道雄・現代人文社)です。著者は雑誌記者を経たノンフィクション作家です。

 著者は、家庭裁判所の調査官・少年院長・脳科学者・裁判官などにインタビューして、思春期に非行や問題行動を起こす子どもたちの育ち、それを通して見えてくる今の子どもたちの幼児期からの育ちを分析しています。

 一言で言えば、今の子どもたちはひどく弱くなっている。とりわけ、人の間で生きていく力が大きく落ちている。

 学校生活という子ども社会の中でのいじめや同調圧力は、子どもたち自身が作り出している。いじめをやっている子は欲望や衝動を抑制できない社会性の未熟な子だが、不登校になった子は対人関係をこなしていく能力が弱かったとみていいだろう。

 事実として最近の子は、仲間から好かれるか好かれないかを何よりも気にしている。皆から好かれる子はそれだけで評価されるが、誰からも好かれない子は自分で自分を否定するようになる。

 人付き合いがうまくできるためには、人の心が分からなくてはならない。

・・・人間が社会の中で生きていくための基本であるこの能力は、家族とのコミュニケーションや子ども同士の遊びの中で育まれていくもので、早期教育的な勉強とは関係ない。この能力がそれぞれの年齢段階で十分に発達しているのが、強い子なのである。

 ではどうしてそうなったのか。子育ての基本が分からなくなり、本当の暮らしが失われた家庭と、育ち合いがなくなってしまった子ども社会の変質だった。

 脳科学に解明を求めた。その答えは意外にも、子どもを人間として成長させるための環境が損なわれているということだった。その環境を失わせたのは第一に少子化だが、少子化が失わせたのは子育ての基本だった。これまでの親が目的とした『一人で生きていける力をつける』こと、そのために『世の中に出して恥ずかしくない人間にする』ことはもはや第一義的なものではなくなっている。

 どの子にもストレスになるものは等しくかかっている。強い子は自分なりに克服してストレスにしないで済むが、それができない子はストレスと感じる。そして、次第に重くなるストレスに抗しきれず、いわば『自傷』に陥るのが引きこもりなどの挫折であり、『他害』に向うのが非行となる。

 人の心の痛みがわからないのは未熟だからで、それゆえ暴行事件を起こすような弱い子となる。人を思いやることができる強い子はいじめなどはやらない。

` どう思いますか。次回は、具体的な子どもたちの行動や問題を挙げてみます。メールや手紙をお待ちしています。


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