地域生活を考えよーかい

地域生活を考えよーかい

2008年度
特定非営利活動法人地域生活を考えよーかい定期総会及び有限会社しぇあーど社員総会
   〜今後の活動(事業)の在り方について〜

2008年度 考えよーかい及びしぇあーど定期総会の内容です。

作成日:2008年6月15日(日)
掲載日:2008年6月16日(月)
分責:特定非営利活動法人地域生活を考えよーかい

 今年も通年同様に特定非営利活動促進法に基づく件名の総会を行うのですが、併せて有限会社しぇあーどの社員総会も兼ねることとします。
 総会の目的は、法で定められたからというものでなく、出来る限り社員(会員)のみなさんが、主体性を持って、今後の法人を支える…と言うよりも、そもそもの理念である「地域生活」=「極普通の暮らし」への支援を如何に持続・発展させられるかを考えていただく機会にしてほしいと思います。
 尚、資料1ページ目にある審議事項の(2)における「監査報告に関する事項」は、スタッフ加藤さんの不慮の事故があり、先送りとさせていただいています。
 以下、資料に沿い説明していきます。
 まず、平成19年度の活動報告ですが、NPOと有限会社を切り離して行うことは難しいので、双法人を合わせた内容となります。とりあえずNPOの金銭面から。
 2ページ目の損益計算書では、前年度のNPOの収益がマイナスとなっていることが解ると思います。今年度は、「緊急一時保護者制度」が「短期入所事業」へと移行したことから、更にマイナス収支になることが見込まれます。
 NPOの活動としては、一昨年に行われた「秋祭り」もなく、新たな事業(例えば、助成金を受けての諸事業…研修等も含む)も行うことはありませんでした。
 こうのいけ祭りでは収益を産んでいる(但し、打ち上げ費が計上されておらず)ことからも、そういった地道な活動も行えればとも思うのですが、先の新規事業も含めて、新たなことを始めるというのは困難?なようです。
 只、大幅な赤字収支になるとすれば、次年度(2009年度)から、例えば「お出かけ企画」をNPO事業にするなども考えるべきかも知れません。※このあたりの活動計画等も立てられる力量も身についていくことを期待したいところです。
 昨年には、年会費の在り方も検討された(廃止にするか減額にするか)のですが、廃止となると収支における影響は大きいことがうかがえます(4ページ、5ページ)。
 6ページの収支予算では、昨年度の実績及び短期入所移行に伴う宿泊収入を差し引いたもので、ざっくり作成してみましたが、大きくマイナス収支となってしまいます。
 このあたり、営利法人(しぇあーど)とトータルで考えれば良いのかも知れませんが、単体法人、単体事業での収支採算も合わせていくということが必要かと思います。
 7ページでは、総収入と総利益を示しています。
 8ページでは、上半期におけるサービス別集計を、9ページでは入金先別集計を表示しています。
 上半期では、8月がピークとなっているのが見て取れます(9ページ)。
 10ページから(11ページにかけて)は、同様に下半期分を表示しています(少し上半期と表の変更を行っている為見にくいですが)。
 下半期では、10月をピークに年末(12月)、年始(1月)と落ち込み、年度末にかけて持ち直すといったカタチとなっています(11ページ下部の表から)。
 12ページのサービス別推移表では、夏季に売り上げが伸び、その後低下するといったことが見て取れます。
 13ページでは、市町村別の推移表を記しています。
 14ページからは、各サービス類型の推移グラフを記していますが、それぞれ(15ページまで)、グラフ下の特徴の記載どおり。
 16ページでは、収支の推移表を記しており、賞与時期を除き、プラス収支となっています。
 17ページでは、介護給付費事業と地域生活支援事業とを分けての推移表で、身体介護が減少傾向することに併せて重度訪問介護が上昇していくというカタチが読み取れます。
 18〜19ページでは、決算書(損益計算書と販売費及び一般管理費、賃借対照表)を掲載していますが、概ね良好な状態であると言えます。
 20ページには、月次損益計算書を21ページには、五期(しぇあーど創設来から)の比較表を掲載しています。
 五期を振り返ると、報酬単価に大きく影響されていることが読み取れます。
 22ページ以降は構成図。参考まで。

 今年度は、昨年度(まで)のように、壮大(でもないが)な計画(例えば新事業の開始・準備等)は立てずに、あえて『現状の継続・維持』を最低かつ最大の目標として行っていきたいと考えています(先のスタッフ会議でも述べた通り)。
 そういった中でも、確認しながら行っていきたい事が以下。

  1.  本的な法人理念に沿った支援の在り方を実践する…最も難しいことであるようにも思われますが、対象となる方(利用者=決して公的サービス利用が可能な方のみということではない、及び家人・関係者の方々)へ、当人(本人)を主体とした支援の在り方を常に模索していきたいと思います⇒制度のみではない(インフォーマルなサービスも含めた)支援、それらを併せた支援計画に基づく支援、我が法人のみにならない支援ということ。
  2.  1について、この制度設計の中では困難(コスト的にも支援内容についても)な面が多々あるのですが、行う支援類型(サービス類型)によって変わらない、又、利用者によって変わらない支援であるように願います。要するに注意したいのは、この需要過多(も、他に無いからであって、我々の法人が優れているなどということはない)で、「してあげている」的な発想が産まれない土壌、初心(真の理念)をまっとうしていけることを望みます。
  3.  活動(就労)環境の改善として、各スタッフの報酬面の向上を行いたいと思います。現状の報酬(給与)水準、同業(社会福祉事業)の中で見ると高水準の部類に入るものの、全産業的視点で見ると低水準である訳で、その点の改善について、全てのスタッフのコスト意識も当然必要ですが、これだけの公費によるサービスに依存しているシステムですので、そのシステム自体(行政・国等)の変換への働きにも力を注がなければなりません。基本的には、年収=年齢×12万円は確保したいと考えています(が、かなり困難)。また、法人収支等も知り得た上で、自らの活動(就労)環境についての意見も述べれるようになってもらいたいと思います。
  4.  また、3を挙げる理由としては、やはり「継続」を如何に成し得るかということに尽きます。現状でも、利用者さん及び家人の暮らしの大部分を支えている実状があり、支援者が疲弊していては、どうにもならないというのは極当然な発想であると思います。また、こういった活動(労働)に従事する者の家人をもしっかり守っていける環境も、作っていかねばならず、そった点では、まだまだ足らずばかりですが、それこそ、全てのスタッフの工夫と創意が必要であると思います。
  5.  3・4と挙げてみたのですが、こういった生活支援という活動、現状の社会システム(日本における社会保障の在り方等を指します)の中で、我が法人の理念と活動(労働)環境を在るべき(と思われる)カタチとして両立させるのは困難というより不可能であると言えます。昨年来の「コムスン事件」等から、「労働」の視点(もちろん最優先といってもいい視点ではあるのですが)のみから照らされると、それに関わる方(利用者さん)の暮らしは成り立たないこととなります。そういった点からも、内からの変革(創意・工夫)と、外に向けた運動(力)を身につけていく必要があります。
  6.  また、先に述べた事業内容等から、ここ5年間の動きも見えてきたと思うのですが、制度に大きく影響される事業をメインとした法人であり、そこを如何に変えられるか(内・外共に)を考えた際に、やはり重要かつ必要なのが、NPO(特定非営利活動)的な働きであると思います。只、真のNPOの在り方は、未だなかなか理解されず、また、隣人・地域との繋がりが希薄になり、そういった在り方の構築は、更に困難になっていく中、改めて、法人(の中にいる全てのスタッフ)の意識(創意)が必要になると思います。
  7.  次年度には、障害者自立支援法の抜本的改革が行われる訳ですが、今年秋には、その内容が明るみになっていきます。もう既に、その中身の議論は行われており、そこへの力の注入、更には、自らの自治体における障害者計画及び自立支援協議会への積極的な参加も含めて、今年度は、法人のカタチ(ハード面)作りよりも、周辺及び法人内部(ソフト面)の変革に力点を置くこととなります。
  8.  7で、法人内部(ソフト面)へ力点と記しましたが、ハード面(新事業や新スペース=拠点・ハコ)同様、昨年と違い全く事業計画には挙げていません。凡そ、全てのしぇあーどスタッフも3年以上の支援経験を経て、ある程度の力はつけたものだと思います。その力が、如何に新たなモノ・コトに向かえるかというところに期待(というか注視)していきたいと考えています。モノ・カタチを作ってからの支援の在り方を構築していくのではなく、スタッフ自らの思いの湧出によって、モノ・カタチが作られていくいくことを理想と考えています。もちろん身の丈以上のことが出来るわけでなく、そういった点からも、じっくりと『現状の維持・継続』をと思います。
  9.  と言っても、関わる方々(利用者さん)の暮らしには、待ったがないということも実感しているところで、そのあたりの実状も踏まえ、最低、目の前に「在ること」に対しては、全力…と言うより「出来る限り」で応えていけるようにしていきたいものです。頑張りどころという場面もやはりある訳で、その際には、頑張りをぜひとも発揮していただきたいと思います。基本的(遠い将来的…?在り得るか?)には、頑張らずして…と言うか、「無理する」ことなく、こういった活動が、真の労働に成り得る様にと考えています。
  10.  最後に(他にも山ほどありますが)、こういった活動を仕事としているスタッフみなさんには、改めて敬意を表します。私が表してもあまり意味も得も無いのですが、おそらく、少なくない利用者みなさんが、スタッフみなさんについて、同様、あるいは同様以上の思いを持っていただいていると思います。そんな思いをしっかり受け止めながら、できるだけ自由に、関わる全ての方が機嫌よく(仲良く←強調)活動していけるようにと思っています。ともあれ、まさに今、『頑張りどころ』で、みんなで(は、禁句のような気もしますが)がんばりましょう。

本文終了


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