地域生活を考えよーかい

地域生活を考えよーかい

支援費制度を生かし、地域生活支援をすすめましょう(提言)

掲載日:2003年2月3日
作成者:西宮のしょうがい福祉をすすめるネットワーク


2003年1月21日

1.「西宮市障害福祉推進計画」をすすめましょう。

「西宮市障害福祉計画」が策定されてから、早2年が過ぎようとしています。昨年6月に「すすめるネット」が「提言」をしてからも、すでに半年が経過しました。支援費制度の実施を踏まえて、計画の必要な見直しを行い、推進を図るために、「西宮あんしんプラン21推進会議」及び「西宮あんしんプラン21懇談会」をすぐに設置・開催しましょう。

なお、この間の検討経過をご説明いただき、実現を困難にしているものがあれば、「すすめるネット」でも可能な限り協力して、早期開催実現のためにともに努力したいと思います。

2.障害者ケアマネジメント体制を確立しましょう。

障害者が地域での自立生活を確立し、自分らしく生きていくための必要な支援を適切に得るためには、本人を中心とした支援計画づくりが必要です。また精神障害者を含めた総合的な地域生活支援の検討・調整機関も必要です。とりわけ、支援費制度においては適正なニーズを反映した支給申請を行っていく上でも、「障害者あんしん相談窓口連絡会」を中心に、障害者ケアマネジメントを進めていく体制を確立していくことが求められています。

こうした中で、国は来年度から地域療育等支援事業及び市町村生活支援事業等を「一般財源化」(=地方交付税措置) しました。これらの支援事業の達成率は、全国的に非常に低い状況にあり、今回の性急な対応は地域生活支援を大きく後退させる恐れがあります。まず、現段階では可能な限り支援事業が定着するまでは一般財源化を延期することを国に求めるとともに、県・市と協力して最終的に一般財源化になったとしても支援事業の補助額に障害者ケアマネジメント加算を加え、事業の実施を拡大・推進し、地域生活支援を進めましょう。

3.公正な支給決定の確保と基盤整備につながる仕組みをつくりましょう。

支給決定に関して、透明性を確保するためにも公正な決定を見守る仕組みが必要です。また支給決定の状況を踏まえて、利用者が必要なサービスの確保を図れるように調整するとともに、地域に必要なサービスの基盤整備について具体的に提言する機能を持った仕組みも求められます。市が設置する予定の「支援費調整会議」を早急に具体化し、利用者の支援サービス確保と、「西宮あんしんプラン21推進会議」や「西宮あんしんプラン21懇談会」等への提起を通して、「西宮市障害福祉計画」や地域福祉計画等の見直しにつなげる、こうした機能を生かしましょう。

4.権利擁護を支援する仕組みをつくりましょう。

利用契約制度の円滑な実施のためには、権利侵害の救済はもとより、成年後見制度の利用支援や、苦情解決の仕組み等の活用を手助けする仕組みが必要です。民間の権利擁護活動等も活用し、行政や事業者団体から自律した公正な組織を創り、身近な相談対応と権利擁護支援をすすめましょう。

5.総合的な地域生活支援システムを確立しましょう。

これらの仕組みに加えて、精神障害者の地域生活支援センターの早期実現や、来年度から一般財源化となった精神障害者社会適応訓練等事業や精神医療適正化対策費補助金の継続等を図ることも必要です。

支援費制度の理念は、地域で自分らしく生きていくために、必要な支援を、必要なときに、必要なだけ利用できるようにし、誰もが地域で安心して暮らせる仕組みを作ることです。そこで求められるのは、ホームヘルプサービスの上限設定につながる仕組みづくりではなく、本人の希望を基本に適切なサービスが提供されるための総合的な地域生活支援システムの確立です。その実現のために、地域の支援機関全体がつながりを持って関わっていく仕組みを官民協働して作っていきましょう。

確かに経済的には厳しい状況が続いています。だからこそ、みんなが地域で安心して暮らせるための生活支援を確保していくことが一層必要なのです。

地域生活支援に対する強い意志を持ったつながりが、ますます大事になっています。「すすめるネット」では、西宮市が誰にも暮らしやすいまちとなるように、支援の輪を、共に広げていくことを呼びかけます。


この文書に対する、感想、意見、各種問い合わせ

【地域生活を考えよーかい】
トップページへ戻る