新たな時代の福祉サービスは、誰もが地域の中で自分らしく生きるために、暮らしの場や働く(日中活動の)場、社会参加や余暇の機会等を確保するとともに、それらを活用するために、必要に応じて利用できる仕組みをめざしています。
そのために、地域では次のような取り組みが必要とされています。
- 当事者本人が「自分らしく」生きていくための場や機会の確保。
- 誰もが地域で暮らすこと、暮らし続けることができるための支援サービスの確保。
- 地域の福祉施策や計画づくりへの参画と推進。
これらは、これまで個人や団体がそれぞれの立場で国や自治体に要求しつつ、一方でそれぞれが具体化のために個別的な努力を行うことによって向上を図ってきました。
しかし、地方分権の推進は、財政的にきびしい状況の中でも、地域に多くの主体的な役割を求めています。そこでは、地域全体がさまざまな形で相互に関わり合い、補い合うことが必要とされてきました。それは、「地域での暮らしを支えていく」ことを共通のテーマとして、当事者本人や家族、サービス提供事業者やボランティア等々、多くの個人や団体が、それぞれの立場や活動を尊重しながらつながることでもあります。
1999(平成11)年からの西宮市の障害福祉計画作りの中で始まった小さな学習会は、やがて多くの人々が集い、それぞれの立場を尊重しながら自由に意見交換し、お互いの情報を持ち寄る場となりました。そして、そこでの意見がさまざまな形で計画に反映されました。その後も「学習会」は続けられ、2001年4月には「西宮のしょうがい福祉をすすめるネットワーク」(略称:「すすめるネット」)と改称して、策定された障害福祉計画を円滑にすすめることを目指す、ゆるやかなつながりとして確認されました。
2003(平成15)年度からは障害福祉分野(身体障害、知的障害)の利用契約制度として支援費制度が導入されます。また、これに先立ち2002(平成14)年度からは精神障害者のホームヘルパー制度も始まります。こうした動きの中で、さらに多くの人が地域福祉に関わる「個人」としての立場で集い、お互いの立場や考えを尊重しながら率直な意見交換ができる場と機会がますます求められています。
「すすめるネット」は、みんなで西宮の「しょうがい」福祉の向上をめざしていくための、わかりやすく安心できる場とつながりです。私たちは、自由でゆるやかなつながりを大切にし、”誰もが地域で暮らせるために”を合言葉として活動することを宣言します。さまざまな人が出会い、お互いに力づけをしながら考えあう場です。多くの方のご参加とご支援をお願いいたします。
2002.4