地域生活を考えよーかい

放課後活動を考える

障害児タイムケア事業について
〜上半期(7月〜10月)の事業から、今後について〜

伊丹市タイムケア事業についての書面です。

作成日:2005年11月9日(水)
掲載日:2005年11月11日(金)
文責:有限会社しぇあーど
代表李国本修慈


1.利用者さんと事業実績

 まず、利用登録者数は11/9現在で13名。そのうち、支援費での対応が10名、純粋なタイムケア利用者は3名となっています。
 支援費対応の方は重度重複障害児といわれる方(身障手帳1種1級、療育手帳A判定)。
 利用実績は別表(タイムケア利用実績、タイムケア収支実績)の通りです。

2.事業内容

 事業内容としては、多くは少数(ほとんどの実施日が一人のみ、最大三名だが、支援費対応の方が大半)です。
 事業(活動)内容は、集団活動ではなく、個別の取り組みとなっています。

3.問題点と課題

 利用者が少なく、タイムケア事業の位置付けが曖昧となってしまっています。多くは支援費対応の方であること等から、支援費でのサービス利用と全く異ならない活動(事業)内容となっており、その識別(タイムケアとしての支援費利用時の活動区別)をすべきかとも考えますが、当人にとっては必ずしも適当ではない場合が多いと考えます。
 今後の考え方として、支援費による介護者をタイムケア事業に組み込んでいく(例えばタイムケア利用者三名に介護者一名+支援費利用者一名に介護者一名=利用者四名に介護者二名といった)形式をシステム化していくのか、再度の考察が必要であると感じられます。
 上記の形式(システム=伊丹方式と記す)を創っていくということであれば、現行支援費制度や障害者自立支援法(にある介護給付と地域生活支援事業との区分け等)に照らし合わせても、整合性がとれず、当人支援や、タイムケア事業の目的等からも伊丹方式についての評価や、次年度以降への提案を考えていく必要があると思います。
 しぇあーどでは、利用者数が少ないということ等から、タイムケア実施日に、専属のスタッフを配置することが現状では不可能となっています。また、利用者さんも、前述した通り、タイムケアと支援費の違いを明確に意識されておらず(当然、いずれも支援費=マン・ツー・マン対応ということで、活動になんら変化はなく、利用サービス名称のみが異なるといった状況ですので)、そのあたりの問題(現状での利用が進んでいる方にとっては問題ではない/単に支援費支給量が増えたという意味で…のでしょうが、このモデル事業を育てていくという点では)をしっかりと考えていく必要があると思われます。
 ヘルプゆう・しぇあーど共に、事業イメージの利用者3対介護者1という以上の支援体制をとっており、かつ支援費による事業収入があってこその事業維持が可能(9月12日ヘルプゆう「障害児タイムケア事業〜夏休みのまとめ〜」3.事業収益から)であることは確認でるものだと考えます。
 そういった点からも、次年度、更には新法による事業スタートとなる06年10月に向けて、伊丹方式をどう評価し、どういったカタチでモデル事業を今後に活かせるのかを検討する必要があると思われます。

4.評価及び提案事項

  1.  伊丹方式(支援費による事業収入もタイムケア事業収入として事業全体収支とする)によって、障害が重い(支援度が高い)といわれる方々もタイムケア事業を利用することができた(?)。タイムケア事業のイメージ単価(3000円/1回=5月10日厚生労働省発実施要綱による)では、障害が重い(障害程度ではなく支援度の高い方)といわれる方の利用(提供)は困難(事業実施前の会議等による予測通り)であるといえます。
  2.  支援度の高い方にもタイムケア事業(もしくは新法による地域生活事業に含まれる移動支援等)を提供していくとすれば、@における方式による事業必要経費(事業単価・補助単価)の増額(詳細な実績データを持って)は必要だと考えます。その際、伊丹方式のように個別給付(新法での介護給付)を事業維持費として利用していくことには問題があろうかと考えます。
  3.  結果として、実施施設である伊丹養護学校の児童(生徒)の利用がほとんどなく、その理由として、「個別対応(マン・ツー・マン)」でないと不可能といったこと等があげられますが、今後、個別給付はそれとして対応していくのかも明確にしておく必要があると思います(現状の伊丹市には、そういった姿勢は感じにくく/伊丹市に限らずですが、個別給付抑制の為の事業ということでは、利用者さんの理解も得られませんし、事業の維持・発展も期待しにくいように思います)。
  4.  財政的理由以上に、必要事業(サービス)として、位置付けていくということであれば、Aに記した事業費の増額、もしくは、現状単価での実施可能方法(例えば教職員や地域ボランティア等の継続的な協力等)を計画的に進めていくことが必要であるかと考えます。

補足:

 伊丹市では、タイムケア事業において、肢体不自由児(重度重複障害児)のみなさんへ、事業開始後に支援費支給を行った(12時間/月=6時間利用を2回、又は4時間利用を3回、3時間利用を4回などといった)のですが、その後、利用登録の受け付けを終了、更にその後の登録申請には事業所の受け入れを確認しながらも登録受け付けを行ったりと、おおよそ説明ができない対応となっていまして(現に、支援費の支給を持ってタイムケア事業利用をという際にも、あえて私からは利用者みなさんにその旨をお伝えしなかった=個別給付ではなく、事業として作っていくものであると感じましたので…)、そういった事に対して、利用者みなさんから、この事業に対しての不信感は払拭できずにいることも認識しながら、今後の事業の維持・進展を期待します。


この文書に対する、感想、意見、各種問い合わせ

【地域生活を考えよーかい】
トップページへ戻る