地域生活を考えよーかい

放課後活動を考える

千葉放課後連ニュース 2002/5/23号

掲載日:2002年5月30日
作成:NPO法人あかとんぼ福祉会理事長
千葉放課後連事務局長 松浦俊弥
(千葉県立四街道養護学校教諭)


四街道養護学校は昨日(22日)に運動会を終わりました。ここは国立の下志津病院に併設されているので、お医者さんや看護師さんの勤務の関係で、運動会を例年平日に行っているそうです。

千葉県内の養護学校は5月に運動会を行うところが多いようですが、そちらの地域はい かがですか?ここのところ寒かったり暑かったりで、子どもたちも教員も体調の管理に気を使っています!

さて、同僚が新潟に出張した折、地元の新聞にこんな記事が出ていたよ、と、わざわざ古新聞をお土産に持って帰ってきてくれました。内容を要約します。


 「放課後も学校で遊ぼっ!長岡市立養護学校」

 4月から長岡市立養護学校で「養護学校放課後サポート事業」を始めた。運営体は長岡福祉協会で構成する運営委員会。スタッフは地元の知的障害者更生施設職員。施設職員が放課後に養護学校を訪れ、午後2時半から6時まで児童をケアしている。放課後の校舎を利用した一時預かりは、新潟県内の養護学校では初めての試み。

 (2003/5/18 新潟日報)


 ということで、養護学校の校舎を放課後に開放した活動のようです。位置付けとしては、新聞を読む限りは「一時預かり」「長岡福祉協会」「スタッフが施設職員」ということで、あくまでもレスパイトケアに近いのかもしれません。でも、新聞には写真もあり、子どもたちが生き生きと遊んでいる様子を見ると、「放課後クラブ」と呼んでもいいのかな、と思います。

 障害のある子どもたちの放課後活動自体が新潟で初めてなのか、あるいは「養護学校の校舎利用」として「初めて」なのかはよくわかりません。でも、今後、特に活動場所に困っているところがあれば「小学校の空き教室」「養護学校の放課後」も選択肢の一つとして検討に値するようになってくるのでは、と考えます。
 個人的には当初「家庭、学校外で」「子どもがのびのびと活動できる場」にこだわりを持っていました。でも、例えば都心部で学校以外に「子どもがのびのびと過ごせる環境」を探すのは大変でしょう。ほかに選択肢があるのなら話は別ですが、安心して遊べる、広い校庭がある、雨の日も体育館等で遊べる、場合によっては使用料も安価かまたは無料で済む、となれば、これを見逃す手はないのかもしれません。

 逆に、障害のある子が放課後も安心して過ごせる余裕教室のある小学校に、地域の子どもたちも迎えていっしょに遊べばよいのかもしれません。

 現実的には、千葉県内では学校管理者(学校長)の理解がなかなか得られず、学校を使った障害児放課後クラブはあまりないようです(市立船橋養護や松戸養護くらいでしょうか?)。全国的には、徐々にではありますが、新潟のような例が増えつつあります。また、実際に借りられたとしても、制約が多く「使いづらい」との指摘も聞こえます(その学校の学校行事に利用が左右されたり、地域の理解、特に小学校児童の保護者の理解を得られなかったり)。

 しかし、国では、例えば空き教室を福祉利用(主に学童保育)に転用する場合、費用を全額国が負担する(市町村は一切の負担なしで済む)、という制度もあり、空き教室利用を進める傾向にあります。実際に場所の問題に直面し、学校余裕教室利用なども視野に入れているところがあれば、そのデメリットをしっかり見極めたうえで、学校の空き教室利用を行政(福祉、教育行政両方)に提案してみてもよいかもしれません。

 以上、新潟のニュースに関連してでした。


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