地域生活を考えよーかい

フリースペース【バックホーム】と【こうのいけスペース】

しぇあめーる 第8号

発行日:2004年9月10日
掲載日:2004年9月11日
作成者:NPO法人地域生活を考えよーかい
有限会社しぇあーど
李 国本 修慈


 しぇあーど及び考えよーかい関係者みなさまいかがお過ごしでしょうか?。
怒涛の夏休みも過ぎ去り、今年は台風の当たり年(らしく…)のようで、再三の上陸に、備えねばならない災害時や緊急時の在り方も考えるこの頃です。
 この原稿を書いている際にも台風の風が吹き荒れ、せんだっては久しぶりの大きな地震を体感したりと、予測の付かないコト・モノに対する備えの大事さを改めて感じるところです。
 ロシア南部の北オセチアの学校占拠事件も大きな衝撃となり…、亡くなられた方々へ心からご冥福お祈りいたします。

☆ 流しそーめん大会が無事に行われました

 8月8日(日)に、こうのいけスペースにて、「流しそーめん大会」が盛大(というか、にぎやかに)行われました。20名の利用者さん親御さん等関係者、スタッフ含めて50名以上の方が参加されました。

 いつもながらの突貫準備を多くの協力者みなさんとしぇあーどスタッフで作り上げた、とってもナイスな企画だったと思います(流しそーめんの竹取り物語⇒マジで竹林に伐採に行き、みんなでキコキコ切ってました…の裏話しも、またスタッフみなさんからお聞きくださいね)。

 今後も、いろんな企画ができればいいなと思います。いろんなアイディア、ご希望をしぇあーどスタッフまでお知らせ下さい。

☆ 「子どもの居場所づくり推進事業」が行われました

 今年の夏休みには、しょうがい児といわれるみなさんの活動機会の創出を!と、伊丹養護学校教職員みなさんや市教委生涯学習部さんらの提案から、県教委社会教育課が実施する「子どもの居場所づくり推進事業」に、しぇあーど&考えよーかいが協力というカタチで事業参加させていただきました。

 「子どもの居場所づくり推進事業」とは〜社会教育施設や学校等を活用して、安心で安全な子どもたちの居場所=活動拠点を整備し、放課後や週末における様々な体験活動機会を創出し、かつ、地域の方々との交流を促し、教育環境を作っていこうという取り組み(事業)です。

 正に、しょうがい児といわれる方々にとって、その(放課後・週末の)活動拠点並びに活動機会の創出は望んでいたところで、そのきっかけとして、今回の事業を行えたことに大きな意義を感じるところです。

 具体的には、日々のプログラムを組み、限られた財源により介助スタッフをヘルパーにし、こうのいけスペース、伊丹養護学校アクティブルーム、伊丹養護学校プール等を拠点に活動を行うことができました。

 ほとんど準備期間がなく、慌しい動きの日々でしたが、この事業の流れを二学期以降も月二回『鴻池子ども教室』いうカタチで、運営委員会(伊養・鴻小PTA、鴻小児童、天中家庭部の各代表、公民館、伊養進路福祉担当職員)さんを中心に活動を進めていく予定だと聞いています。

 NPO法人地域生活を考えよーかいも上記事業の連携団体として、今後、多彩な社会資源を創り、共に活動していくことができればと考えています。

 多くの方への周知と活動への協力も宜しくお願いいたします。
 問い合わせなどは国本もお受けしますので、ご連絡ください。

☆ ー夏休みの居場所作り事業を終えてー  長池 清美

 7月24日に夏休みの居場所作りとしてスタートした事業。
7月20日頃に伊丹養護学校の児童を1日4名、25日間伊養としぇあーどを拠点として、受け入れが決定。
学校関係者、PTA関係者、ボランティア等の協力を受けて8月31日に終了しました。

 結果、事業に参加している児童さんだけでは無く、多くのしぇあーど利用者さんも一緒に活動出来ました。
25日中、11日間伊養のプールを、13日間アクティブルームを開放して頂き、そこを中心に活動してきましたがその中で参加した方の生き生きとした表情を見て、うれしく思いこの事業に関わる事が出来て、本当に良かったと思いました。

 その一方で去年までは長い夏休みの中でも学校行事以外のプール、アクティブルームの解放が無かった事に関して疑問もわいてきました。この事業が来年どうなるかは別に、夏休み中、伊養の児童さんだけでなく、障害児・者と言われる方、そして地域の子供達にもこういった居場所をどんどん作っていけたら・・と、小さい子供を持つ親として、つくづく感じました。

 最後になりましたが、御協力してくださった方々へ、「本当にありがとうございました」。

☆ 9月のお出かけ企画は海遊館へ行きます

 先月の会報でお知らせしました「海遊館」へのお出かけ企画ですが、5名様の募集のところ14名様の応募があり、厳選なる(マジです)抽選の結果、参加者を決定させていただきました。

 見事当選されましたみなさんおめでとうございます!!。

 惜しくも(むなしく)外れてしまったみなさん(こちらの方が多い)、ホントに申し訳ありません(ごめんなさい!!)。うらみにつらみは腹身(はらみ)たっぷりのお出かけ企画担当の溝辺・井之上までお願いします。

 また、ご希望のお出かけ等がありましたら、あわせて宜しくお願いいたします。

☆ 10月の企画はバーベキュー大会!!(別紙案内と申し込み書あります)

日時 10月17日(日)10:30〜14:30
場所 伊丹養護学校にて
内容 食べて・飲んで・ビンゴして・みんなで盛り上がろう!!
問い合わせ しぇあーど井ノ上・溝辺まで072-771-1203

申し込み提出は9月末まででお願い致します。

☆ 〜「ガイドヘルプを通じて考えたこと」〜  古家 節子

 初めてのガイヘルは、桜の花が綺麗な時期でした。

畠中が休日にイリゲーターを木の枝に掛け、注入をしている家族をみかけ、私に話してくれた事がガイヘルの過ごし方に大きな変化をもたらしました。
胃ろうや気管切開をされた利用者さん、今まで外出はしましたが、1日全てを外で過ごす事など考えてもいませんでした。桜の下で注入なんて、気持ちがいいし体験させてあげたい。
リスクは伴うのですが、緊張しながら利用者さんと3人で出かけた事が始まりです。
今までの外出と違い、外での注入に利用者さんや保護者の方は心配だったと思います。
私も、いつも以上に頭の先から足の先まで、神経をとがらせて、帰宅した時にはヘトヘトになっていました。でも利用者さんの初めて見せてくれる笑顔に私も畠中も満足でした。  
利用者さんの顔の表情が全く違っていたからです。
隠れていた表情が時折、見られるようになり、ますますガイヘルの時間を大切にするようになりました。
外出の前は、利用者さんも楽しみにされており、体調を整えてくれているのが顔色や飽和酸素濃度からも解るくらいです。
初デビューは散々なものでした、春の日差しで利用者さんの顔に日焼けをさせてしまいました。失敗と反省で今のガイヘルがあります。
利用者さんの年齢にあった時間の過ごし方を中心として動いています。
外出する3日前までに、何を目的とし、どの様な場所で、楽しい時間を過ごせば良いか、
インターネットで情報を収集、トイレ、注入場所など事前に調べる様にはしているのですが、その場所に行ってからでないと解らない事が沢山あり、計画通りにはいかない時も多々ありました。
ガイヘルをする様になって、気づかなかった(気にとめていなかった)事がよく解るようになり、利用者さん達の過ごしにくさに、怒りを感じる時もあります。
例えば、障害者用トイレでも狭く、どうやって入るの?なんて場所が多くあり、ガイヘルガイドブックみたいな物があれば、いいのになぁーと(畠中と本を出版しようなんて話しもしています。笑 )計画通り行かないときは、反対に燃えてきて色々考えながら
時間をすごしています。
これからも、利用者さんと共に楽しい時間を一緒に過ごす事を目的にと、頑張ります。

☆「今後の訪問看護の在り方について」畠中 希代子

私は、昨年3月に勤めていた病院を退職するまで、障害児・者といわれる方々についての知識を全く持っていませんでした。
でもこの1年間で何十回、何百回と頭を打ちながらたくさんの方に出会い、多くのことを学ばせて頂きました。
しぇあーどでは、訪問看護の中で一番重要な役割として、”相談業務”をあげています。
これは支援費制度はもちろん、それ以外のさまざまな制度についての知識も合わせて考えることで、利用者さんにとってよりよい支援プランを御本人や御家族の方とともに考えることです。
この役割は介護保険ではケアマネージャーが担っているところですが、支援費制度ではこの役割を誰がするのか、とても曖昧です。
その役割を主治医とコンタクトのとれる訪問看護で担っていきたいと考えています。
しかし、介護保険には訪問看護が含まれていますが、支援費制度には含まれていません。
そして、訪問看護は、介護保険の対象者以外はすべて医療保険であり、診療と同じく自己負担が全費用の3割で発生します。
福祉医療は医療機関の受診や入院では自己負担は発生しませんが、そこに訪問看護は含まれず、3割の自己負担が発生します。
この自己負担をできるだけ少なくできる制度をいろんな所(市役所や県、国保連など)で調べて利用できるところは利用して今まできました。
しかし、現在ある制度では対応できないケースも多く、法や制度の矛盾を感じることが多々あります。今後は実情にあった制度を作るような働きかけを積極的に行っていく必要があると考えています。
また、実際に訪問看護に入る際に困ったのは、”訪問看護指示書をどこで頂くか”ということでした。介護保険の中の訪問看護については多くの医師が理解されていますが、障害児・者の方々について理解されている医師は本当に少なく、理解されている医師であっても「医療や介護は必要であっても看護は・・・」と言われ、その必要性について御理解頂くまでに時間を要しました。そして実際に訪問看護を行っていきながら、ご本人の体調が悪いと判断すれば、支援費の移動介護のヘルパーとして通院同行して主治医に直接状況を伝えたうえで診察を受けることができ、重篤な状態にならずに済んだケースも少なくはありません。
そういうケースを通して、時間は要しますが焦らずに主治医に訪問看護の必要性を理解してもらうことも重要ではないかと考えています。

☆ 〜一年間を振り返って〜   溝辺 啓二

ホテルマンから福祉の扉を叩いて早いもので、もう一年が経ちました。
今までの仕事とはまったく違い(サービスと言う事では同じ)、戸惑いも有りました。多くの利用者さんに携わり色々な事を勉強していくにつれ、楽しい事や辛い時も有りました、この仕事の重みも知りました。
自分自身無我夢中で走って来たこの一年その戸惑いがいつの日か楽しく毎日利用者さんと過ごせるのもこの一年温かく、そして時には厳しくご指導して頂きました親御様や利用者の皆様に出会えた事をとても感謝をしております。
そして、良きしぇあーどスタッフ・ヘルパー皆様に出会えた事を感謝し、今までのヒゲのお兄ちゃん?では無く心機一転ヒゲを剃り、しぇあーどの溝辺!で頑張っていきます。  
今後ともよろしくお願い致します。

☆ 2004年度下半期に向けて…

 しぇあーど・考えよーかいも、その活動を始めて1年と半年が過ぎようとしています。
地域生活支援の在り方も利用契約制度が導入され、いろんな意味で変化を遂げながら今日に至っているのですが、相変わらずの不安定要素(しょうがい者といわれる方々が極々当たり前に暮らすことに対しての)が、制度の中や、私どもの地域に広がっているようにも感じられるこの頃です。

 ひとつは介護保険との統合問題や一般財源化問題。

 そして、地域として、地域生活支援というモノに対しての姿勢の在り方。
いろんなところで、きっちりとした情報を掴みながら、自らの暮らしを自らの地域で組み立てられるようにと思います。

 さて、前回の会報でもお知らせいたしましたように、しぇあーど及び考えよーかいも、その組織の在り方を変えていかねばと考えています。

 事業所自体の組織体系は、外部からの支援を受けながら作り直しているところですが、対人サービスという点からみた際に、当事業所の力不足は歴然としているところで、自らの事業評価を示し、対価に値しないサービスは提供しないという姿勢も明確にしていく時期であるかと考えているところです。

 何を言わんか?なんですが、ひとつは、重心(重症心身障害児)などといわれる方々へのサービス実施者(ヘルパー)の質を高めることができていない現状で、みなさんからの利用依頼に対して、これまで以上にお受けすることができなるケースが増えてくるということ。

 更に、熱意ある他事業所さんへの私どもがこれまで行ってきた活動ノウハウの伝達と、こうのいけスペース等を利用しての複数事業所併用利用を利用者みなさんにおすすめさせていただきたいと考えています⇒具体的には既存の介護保険事業者さんや新規立ち上げ事業所さん等への利用契約を勧めさせていただいた上で、こうのいけスペース等を利用して、活動を共にしていく(国本が責任を持って連絡調整にあたりたいと考えています)ことができればと考えています。

 しぇあーどへの一極集中的な需要の在り方を変えながら、もっと多彩な生活支援体制を伊丹市でも築いていきたいという思いから、利用者みなさんにもご理解を求めるものです。

 もちろん、平行しての事業所スタッフのレベルアップやハイリスクといわれる方々への支援体制はこれまで以上に強固なものにしていきたいと考えています。

 どうぞ、宜しくお願いいたします。

 追記…せんだってから、数件のお問い合わせを頂いているのですが、私どもが運営する「しぇあーど」は、拠点を鴻池(以前は西台でしたが完全転居しています)とするもののみで、その他の地区・地域(市内外)で、同様名称を語る事業所(が、あるらしいのですが…)とは、その活動提携などの関係は一切ありませんので、この場でお答えとさせていただきます。

☆ いんふぉめーしょん

☆ 上映&トーク『忘れてほしゅうない―隠されてきた強制不妊手術』 

京都上映(2004年/日本/ビデオ/24分/全編日本語字幕付き)制作・著作 優生思想を問うネットワーク
  あなたは こんな事実があったことを ご存じですか?

日時 2004年9月26日(日)午後1時30分〜
場所 ウイングス京都 2Fセミナー室A・B
案内 http://wings-kyoto.jp/www/facilities/access.html
会場 中京区東洞院通六角下がる
地下鉄「烏丸御池」駅、または地下鉄「四条」駅・阪急「烏丸」駅から徒歩5分
TEL 075-212-7470
参加費 資料代1000円
ゲスト 佐々木千津子さんのお話があります。
主催・問い合わせ
制作・著作
優生思想を問うネットワーク
連絡先 大阪市城東区東中浜2-10-13緑橋グリーンハイツ1F アド企画内
TEL/FAX:06-6965-7399Eメール:yunet@cat.zero.ad.jp
制作 ビデオ工房AKAME

☆ 「秋のふれあいフェスティバルIN鴻池」

今年も、授産施設ゆうゆうさんと伊丹養護学校さんを中心に、11月6日(土)に「秋のふれあいフェスティバルIN鴻池」が行われます。みんなで楽しみましょう!!。

☆しえあーど・こうのいけスペース10月のお休みは以下の通りです

1日(金) 16日(土) 31日(日)

編集後記…あっという間に流れる時間の中で、様々な状況下に様々な方々が自らの地域、又は周囲に暮らしているということを実感し続ける毎日です。極々あたりまえの暮らしが実現する地域、そして社会を…と。今後とも宜しくお願いいたします。


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